足三里(ST36)は、東洋医学で「万病のツボ」と呼ばれる最も重要なツボのひとつです。胃経(Stomach Meridian)の36番目の経穴で、消化不良・疲労回復・免疫力強化・膝の痛みなど、幅広く活用されています。古くから「足三里を知らずして鍼を語るなかれ」と言われるほど、核心的なツボです。
足三里の場所の探し方
足三里は、膝の下3寸(約4横指)、脛骨(すねの骨)前面の外側1横指のところに位置します。
簡単に見つける3ステップ
- 膝を曲げた状態で、膝蓋骨のすぐ下外側のくぼみ(犢鼻穴、ST35)を探します。
- その位置から下へ指4本分(約3寸)下がります。
- 脛骨の外側へ指1本分ずらした位置が足三里です。
ポイント:その位置を親指で強く押したとき、足の甲や第2・第3趾の方向にしびれるような感覚が広がれば、正確な位置です。
足三里の主な効能
足三里は東洋医学において補気強壮の代表的なツボで、気(き)を補い体力を強化する効能があります:
- 消化不良・胃腸疾患:胃痛・吐き気・嘔吐・食欲不振の緩和
- 疲労回復:慢性疲労・無気力感・体力低下の改善
- 免疫力強化:体内の免疫機能活性化、風邪予防
- 便秘・下痢:腸機能の双方向調節(便秘には促進、下痢には抑制)
- 膝の痛み:変形性関節症・運動後の膝の不快感の緩和
- 腹部膨満:ガス・もたれ・食後の腹部不快感
- 高血圧:血圧の安定をサポート
- めまい:気血の循環改善によるめまいの緩和
セルフ指圧法(5分ルーティン)
基本指圧
- 姿勢:椅子に座り、膝を少し曲げた姿勢で始めます。
- 親指指圧:両手の親指を両側の足三里に当て、垂直に押します。
- 強さ:少しだるくて気持ちいい感覚(得気感)が得られる程度に圧をかけます。
- 時間:5秒押して→3秒休むを繰り返します。
- 回数:左右それぞれ2〜3分ずつ、1日2〜3回行います。
拳でたたく方法
拳を軽く握り、足三里の部位をリズムよく100〜200回たたきます。朝起きてから行うと、1日中胃腸機能の活性化に役立ちます。この方法は古くから「長寿健康法」として知られています。
温熱刺激法
温かいタオルやホットパックを足三里に5〜10分間当てると、冷え性の改善と消化促進に効果的です。特に寒い季節におすすめです。
注意事項
- 空腹時や食事直後(30分以内)は強い指圧を避けてください。
- 一度に5分以上継続して強く刺激しないでください。
- 傷・炎症・浮腫のある部位は避けてください。
- 妊婦の方は強い刺激を控え、軽い指圧のみ行ってください。
- 指圧後は温かい水を飲み、血液循環を促しましょう。
経穴情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツボコード | ST36 (Stomach 36) |
| 漢字名 | 足三里 |
| 所属経絡 | 足陽明胃経(胃経) |
| 位置 | 膝下3寸、脛骨前面外側1横指 |
| 難易度 | 簡単(初心者におすすめ) |
一緒に押すと良いツボ
- 合谷(LI4) + 足三里(ST36):消化器全体の強化・気力回復
- 中脘(CV12) + 足三里(ST36):胃痛・消化不良への集中ケア
- 三陰交(SP6) + 足三里(ST36):脾胃機能の強化・女性の健康
- 関元(CV4) + 足三里(ST36):全身の滋養・慢性疲労の改善
よくある質問
足三里は毎日押しても良いですか?
はい、足三里は毎日指圧しても安全なツボです。1日2〜3回、各2〜3分ずつ継続して行うと、消化機能と全体的な体力向上に役立ちます。
足三里の指圧はいつ行うのが最も効果的ですか?
消化促進が目的であれば食後30分が良く、体力強化が目的であれば朝起きた直後が効果的です。就寝前の軽い指圧は睡眠の質向上にも役立ちます。
足三里が「長寿のツボ」と呼ばれる理由は?
東洋医学において足三里は、脾胃(消化器)を強化して気血の生成を促す核心的なツボです。古くから「三里に灸をすえぬ者と旅をするな」という日本の健康の格言があるほど、健康長寿の象徴とされています。
⚠️ 医療免責事項:この記事は健康情報の提供を目的として作成されており、専門的な医療診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合や重篤な場合は、必ず医療専門家にご相談ください。

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